
建設業は必ず必要な業界です。2024年1月の能登で起こった震災でも自衛隊や地域消防などと同じく建設業者も最前線で寝ずに活躍しています。発生から10日間ほどで300kmもの道路を補修。わずかな期間でこれだけの道路やインフラを復旧させる、その後は全国各地の建設業者が応援要請を受けて現地で活躍されていました。そんな人の役に立つことのできる建設業ですが、小さな地域密着企業は人手不足に苦しんでいます。建設業全体では入職者数はそこまで減ってないのですが、大企業・都市部に人が集まり、小規模企業・地方企業は本当に人手不足が深刻です。目下の課題のひとつは小さな企業の魅力を増やし、建設業全体の入職者数を増やすことです。
これから起こる人の流出
少し別の話になりますが、台湾の半導体メーカーTSMCが熊本に製造拠点を作りました。この効果はすさまじく、熊本の県内総生産が6兆円くらいの規模なんですが10年間でそれを超えるくらいの経済効果をTSMCが生み出すとのことです!給与は平均の1.4倍ですから新卒者からすると選択肢が増えて嬉しいですね!ただ、他産業からするとそういうわけにもいかない。他県からも入職者は増えるでしょうか基本的には地場の熊本から入職する、ということは熊本に根付いた建設業の入職者は減少してしまう、しかもこの状況が今後も続くとなると深刻です。今の日本の状況を考えるとこういったことがいたるところで起こってくることが考えられます。
因縁の造語”3K”
このことに対抗するためにもさらに建設業の魅力を引き出して、作り出していく必要があります。というか建設業はすでに魅力的な部分をたくさん持っています!が、イメージはやはり黙々と作業をし、体を酷使して、道路で真っ黒になりながら、、、日常の中で見る建設業者のイメージと1990年代後半に作られた因縁の造語3Kに引っ張られてこの小規模・地方には人が集まりません。ただ、本当にそれだけなのか?海外では建設業の地位はどうなのでしょうか。
アメリカの建設業
アメリカでは労働組合がしっかり機能していて、週休2日で労働時間も守られているようです。休日出勤は2倍、残業は1.5倍の給与が労使協定によりしっかり確約されており、雇う側からすると残業すると費用負担がかさむためこの問題はしっかりと経営者側の問題となります。残業しないように!と上司から言うだけであとはお任せ仕事は溜まり放題みたいな言うだけ・ほったらかし・やっぱり残業しなきゃな環境はアメリカはないんですね。経営者は必死に対策します。
魅力を増やす具体的提案
戻りまして、”魅力を増やすこと=建設業を人気職にすること”というならやはり価値観を増やすことが一番大事なのではないでしょうか。厳しい言い方に聞こえてしまったら申し訳ありませんが、”こんなに建設業は人の役に立ってるんですー!”っていうアピールだけでは入職者は増えません。なぜならそれは周知されているから。建設業が世の中の役に立つ仕事なのはみんな知っているんですね。
黙々と作業するのが好きとか、建設機械が好き、自分の作ったものを地図にのせたい、などそういうニッチな価値観や漠然とした夢は大切ですが、それだけではなく、、外国人でも活躍できる、女性でもこんなことができる、年功序列ばかりじゃなくてスキルでしっかり評価してもらえる、数学スキル、ITスキル、PCスキルを存分に活かせる、海外で活躍できる、英語が活かせる、働き方(時間や曜日、短時間など)が選べる、などなど、活躍できる人が多くなればなるほど入職者は増します。進みそうで全く進んでいないところを本気で取り組むことが大事ですね。小規模建設業者がそうしたいろいろな価値観の人が活躍できる日が来るように、まずは一歩ずつそれぞれが意識をもって活動することが大事だと思います。
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